先端をいくSD研究
ナノの世界の熱を光で探る
【田口研究室】
ナノメートルサイズ(髪の毛の太さの1 万分の1)の領域で温度分布や熱物性がどうなっているか眼で見た人は未だにいません。本プロジェクトでは、近接場光と近接場蛍光という特殊な光を用いて、非常に微細な領域の温度・熱物性を計測する新しいセンシング技術を研究しています。この新しい『眼』により、例えばカーボンナノチューブやフラーレンなどのナノ材料や高密度に集積されたIC チップの熱設計(サーマルシステムデザイン)が可能になります。
高齢者にやさしいシステムを目指して
【村上研究室】
少子高齢化社会が進むにつれ車椅子の需要は高まると考えられます。本プロジェクトでは、インホイールモータ(モータが直結した駆動軸)を用いて独立二輪駆動型電動車椅子を構築し、環境の変動に強いパワーアシスト制御等の研究を行っています。
次世代のものづくり技術
【柿沼研究室】
ものづくり分野では、センサ情報に基づき機械自身が加工プロセスを自律的に監視・判断・制御する知能化技術の開発に目が向けられ、次世代型知能化工作機械によるスマート生産システムの実現に向けて世界的に競争が激化しています。本プロジェクトでは、加工機械の安心・安全性、ユーザビリティを高めるため、加工学、機械工学、制御工学に基づく知能化技術の開発に取り組んでいます。
建築空間の生命化
【三田研究室】
建築空間自身に生命のような免疫機能やDNAを持たせて安全・安心・快適な空間を実現するための研究を行っています。免疫機能は部屋の中で発生する異常事態、たとえば泥棒の侵入、居住者の急病、建物の故障や劣化などの検出に役立ちます。DNAはいずれ設計図に代わって、建物の建設に必要な情報を伝達し進化させていくことに役立ちます。その実現のためにロボットやセンサネットワークの活用法の提案も行っています。
デジタルデザイン
【青山英樹研究室】
デザイナ・設計者は、形や色を創発(デザイン)するときスケッチを書きます。スケッチは、人間がアイディアを表現しアイディアを具体的にまとめていくための最もすぐれたデザインの道具です。このシステムは、スケッチから三次元の形状・色を瞬時に(リアルタイムで)作ることができます。つまり、実際のモデルを作ることなく、バーチャルの世界(計算機の中の世界)でデザインをいろいろと確認することができ、デザインの効率を大幅に向上できます。
超高層建物の地震被害を軽減する
【小檜山研究室】
東日本大震災では長時間続く長周期の地震の揺れが震源から遠く離れた超高層建物に被害を発生させました。研究室ではこれまで知られていなかった水平方向の変位とそれに直交する水平方向の地震力が生み出すねじれ振動の共振現象に注目し、振動台実験や数値解析により現象の解明に取り組んでいます。これまで見えなかったリスクを明らかにし、先手を打った防災対策を提案することを目指しています。
キャンパスに実験建築を設計・施工
【岸本研究室】
キャンパス内に実際の建築を設計・施工しました。写真は、矢上キャンパスに大学院生が中心となって作った「森の休憩所」です。大学院のプロジェクト授業を通して、生命・生物の形と仕組みに学ぶ建築を研究した成果です。(岸本)
新たな脅威に立ち向かおう!
【西研究室】
ケーブルやコネクタから漏洩する電波、電子機器の消費電力、さらには直接ケーブルに針を刺して、通信内容や処理内容傍受し、機密情報を入手する新たな脅威「サイドチャネルアタック」が問題になっています。そこで、西研究室では完全機密化通信をはじめとするアンチサイドチャネルアタック技術の研究を進めています。この技術を利用すれば、従来のソフトウエアによるセキュリティ技術では解決できなかった新たな脅威を防ぐことができます。
生命システムをデザインする
【須藤研究室】
システムデザイン工学のコンセプトを生命システムに適用することで、新たな研究領域を開拓しています。具体的には、マイクロ流体デバイスを作製し、ティッシュエンジニアリングやメカノバイオロジーへの応用を中心としたバイオエンジニアリングの研究を進めています。特に、肝臓・血管・脳・がんなどの三次元組織の構築に取り組み、将来的には再生医療や診断デバイスへの応用や、生命システムのもつ統合性について工学的に解明することを目標としています。